CD・DVD・Blu-rayを制作する際に、当店含めほとんどの業者が「CDプレス・DVDプレス・BDプレス」と「CDコピー・DVDコピー・BDコピー」を選べるようになっています。
この「プレス」と「コピー」にはどういった違いがあるのかを比較・解説し、またプレスとコピーのどちらを選んでオーダーすれば良いのかをご案内します。
もくじ
簡単なまとめ
細かい説明は抜きにしてざっくりとした結論だけ言うと、以下のとおりです。
- プレス:沢山作るときに安い、長納期
- コピー:少し作るときに安い、短納期
全てのケースにおいて上記が当てはまるわけではありませんが、大まかな傾向としてこの捉え方で差し支えありません。
詳しい解説
ここからはプレスとコピーそれぞれ「ディスクの仕様」「価格」「納期」の点で比較しながら解説していきます。
ディスクの違い
プレスとコピーでは収録するデータ(中身)は同じでも、ディスクの仕様が大きく異なります。
プレスのディスク
一般に市販・流通されている音楽CDや映像DVD・BDなどはほとんどがプレス生産されたものです。
市販用途や高品質なディスクをお求めの場合はプレスがおすすめです。
プレスではマスターデータから「スタンパー」と呼ばれる原盤を作成し、専用の工場でディスクを大量生産します。
プレス生産したディスクはコピーで使用するCD-R、DVD-R、BD-Rとはデータの記録方法が異なり、再生機器との互換性や経年による劣化への耐久性などに優れます。
またレーベル面(盤面印刷)はオフセット印刷もしくはシルク印刷で、高品質かつ耐久性の高い印刷が可能です。
ディスクの下地が光沢のある銀色のため、銀盤を活かしたデザインができるのもプレス盤の特徴です。
(コピーでもオフセット・シルク印刷や銀盤を利用可能な業者もありますが、当店ではディスクへの負荷やコストを考慮してコピー生産時はインクジェット印刷・下地ホワイトのみ扱っています)
コピーのディスク
配布用やサンプル盤など、お手軽なディスクでしたらコピーがおすすめです。
コピーで使用するディスクはいわゆるCD-R、DVD-R、BD-Rで、生産時はスタンパーを使用せず、1枚1枚データを書き込んでいきます。
ディスクやコピーに使用する機械は業務用の高品質なものを使用しますが、仕組みとしては「電器屋でCD-Rを買って来て家のPCで焼いた」のと同じです。
レーベル面(盤面印刷)はインクジェット印刷で、専用のプリンターで印刷しきれいな出力が可能ですが、プレス盤と比べると品質や耐久性の面で劣ります。
(コピーでオフセット印刷・シルク印刷・UV印刷を利用可能な業者もありますが、当店ではディスクへの負荷やコストを考慮してインクジェット印刷のみ扱っています)
価格の比較
プレスとコピーでは数量によって価格が大きく異なります。作りたい枚数によって使い分けると低コストで制作できます。
プレスの価格
ご注文枚数が多い場合はプレスがおすすめです。
プレスはご注文1回あたりのロット最小数が決まっていますが、大量生産する場合はコピーに比べて単価・総額が安くなります。
最小数は業者によって異なりますが、当店では300枚が1回ご注文あたりのロット最小数です。
上記より少ない数での制作も可能ですが、料金はロット最小数制作時と同じです(例:プレスで100枚をご注文いただいた場合の料金総額は300枚ご注文時と同じ)。
仕様などにより変化はありますが、おおまかに500枚程度よりも多く制作する場合は、コピーよりもプレスの方が安価になることが多いです。
コピーの価格
ご注文枚数が少ない場合はコピーがおすすめです。
コピーは1回ご注文あたりの最小数に決まりはなく、少数の制作ではプレスに比べて単価・総額が安くなります。
(業者によっては最低数を設定していることがありますが、当店では1枚からご注文いただけます)
数量が増えてもプレスほど単価が下がらないため、数が多いと総額が高くなってしまいます。
仕様などにより変化はありますが、おおまかに500枚程度よりも少なく制作する場合は、プレスよりもコピーの方が安価になることが多いです。
納期の比較
プレスの納期
枚数が多い場合はコピーよりもプレスの方が短納期です。
仕様によって異なりますが、プレスの納期はだいたい2週間~3週間程度です。
プレスはスタンパーの作成に時間がかかるため、ごく少数の生産でも最低限の日数がかかります。
その代わり生産枚数による納期への影響がほとんどなく、数が増えても納期はほぼ変わりません。
仕様によっては3,000枚を超えたあたりから納期が長くなる場合がありますが、それでもプラス1日~2日程度です。
※Blu-rayプレスは上記よりも長納期になる場合があります
コピーの納期
枚数が少ない場合はプレスよりコピーの方が短納期です。
コピーの納期はおおよそ3日~2週間程度で、少数の生産なら最短で1日(即日出荷)も不可能ではありません。
ただし枚数に比例して納期が長くなるため、大量生産する場合は長納期になります。
※Blu-rayコピーは上記よりも長納期になる場合があります
まとめ
これまでの解説をまとめると以下のようになります。
- 500枚より多く作る、納期に余裕がある → プレスがおすすめ
- 500枚より少なく作る、納期に余裕がない → コピーがおすすめ
枚数 | プレス | コピー |
---|---|---|
ディスク互換性 | 非常に良い | 良い |
ディスク耐久性 | 非常に良い | 良い |
レーベル面 | オフセット印刷・シルク印刷 | インクジェット印刷 |
制作枚数目安 | 500枚~ | 1枚~ |
納期 | 2週間~3週間程度 | 3日~2週間程度 |
プレスは大量生産向け、高品質なため市販品などに向いていますが、納期が長いのが欠点です。
コピーはプレスに比べると品質の面で劣りますが、少数から制作可能で短納期なのが強みです。
主に「数量」と「納期」で自然とプレスにするかコピーにするかが決まってくる場合が多いはずです。
それでもどちらか決めかねる場合は、当店スタッフにご相談いただければ、使用用途やご予算などに応じておすすめのプランをご案内させていただきます。
※Blu-rayプレスおよびコピーの納期は上記に該当しない場合があります
プレスが適している状況
- 大量に作りたい(目安:500枚~)
- 納期までの日程に余裕がある
- 流通・市販品の制作をしている
- 高品質な物を求めている
コピーが適している状況
- 少数だけ作りたい(目安:~500枚)
- 配布物なので低コストで済ませたい
- 納期を急いでいる、必要な期日が差し迫っている
- 品質よりも速度と安さが優先